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上の奥歯の骨がなくてもなるべく人工骨を使用しないほうがいいとされる理由
上顎奥歯をインプラント手術を行う場合、通常骨の厚みが5ミリ以下
ではインプラントを埋入する前にソケットリフトやサイナスリフトと
いう処置を行い、埋入するインプラントの長さに対して骨の不足分を
人工骨でカバーする必要があります。
例えば10ミリのインプラントに対して
*骨の厚みが5ミリなら不足分は5ミリですから人工骨を填入します
ですから骨の厚みが少なる分上顎洞内に填入する人工骨量が多くな
るので、人工骨が上顎洞内に漏れると急性副鼻腔炎になるリスクが高
くなってきます。そのために上顎奥歯のインプラントでは、なるべく
人工骨は使用しないでインプラントが埋入できたほうがいいのです。
そこでショートインプラントが最近注目を集めています。ショートイ
ンプラントですから上顎洞内にインプラントが入る長さが短くなりま
すし、たとえ埋入するインプラントより骨の厚みが足りなくても人工
骨を使用する必要はありません。これは患者様にとっては治療費を
押さえることにもつながりますし、急性副鼻腔炎を起こるリスクを
非常に下げることができます。さらに人工骨を填入する時間が無くな
り。手術時間も短くなります。またショートインプラントでも幅が
大きい(ワイド)タイプほど、インプラント周囲の骨の吸収を抑制
しますので、長期的にインプラントの良好な予後を期待できます。
1,インプラント埋入前
右上奥歯の虫歯が大きくなたっために神経を取り、歯の真ん中に
金属の塊が入っています。この塊がいわゆる「歯の土台」というもの
です。神経を除去するとこのように歯の大部分が失われます。
そのため金属で補うわけですが、この金属が「くさび」の役目を
担い、神経を抜いて乾燥した歯そのものに亀裂を生じさせる原因と
なります。
2、抜歯とインプラント埋入
抜歯を行い歯茎(黄色い矢印)は切開せず(フラップレス)、歯の破
折で生じた炎症のある歯茎を除去します。イインプラントは歯の根よ
りも小さいので、歯の根とインプラントの間には隙間が生じます。
(赤い矢印の部分)その隙間には骨の再生を促進するように人工骨を
置いておきます。