他院で骨が足りないといわれた方へ
失った歯の機能を補う補綴(ほてつ)治療の一種である「インプラント治療」は、顎の骨にインプラント(人工歯根)を埋入してその上に人工歯を固定する治療法なので、基本的に骨の量が足りないと適用できません。しかし、京浜急行「横須賀中央駅」徒歩4分、長島デンタルクリニックでは、骨量が足りない患者さまに対するさまざまな治療法をご提供しています。
他院で「骨が足りない」と断られた患者さまも、当クリニックなら治療できる可能性があります。インプラント治療を諦める前に、まずはご相談ください。
骨が足りない患者さまへの治療法
一般的に「インプラントを埋入するには骨が足りません」というのは、
- 上の顎なら上顎洞までの骨の厚みが足りない
- 下の顎なら下顎管神経までの骨の厚みが足りない
この2つを現わしています。
下の顎の場合にはGBR法で骨の厚みを増しても、
- 術後の腫れ、痛みが大きくなる可能性があります。
- 術後の骨の吸収が起こる可能性があります。
- 下顎管神経を傷つけると麻痺を生じる可能性があります。
などのリスクが通常のインプラント手術よりも高くなります。
そこで当クリニックではバイコン社のショートインプラントを用います。
ショートインプラントとはインプラント体の長さが8ミリ以下のインプラントのことを指します。
バイコンインプラントについては『横須賀市の歯医者なら長島デンタルクリニック』をご覧ください。
上の顎の場合にはソケットリスト法やサイナスリフト法という術式で骨の厚みを足しながらインプラントを埋入します。
ソケットリフト法
上顎洞に人工骨を入れる際、形成した穴の直径は3mmですので、術後の腫れや痛みは少ないですが、人工骨が入れにくく手術時間がかかる場合があります。
人工骨を填入する圧力で、シュナイダー膜が破れる場合があります。
手術前の口腔内写真です。右上5番が欠損しています。 | |
直径3ミリのインプラント窩を形成し、ここから人工骨を充填していきます。 | |
人工骨でシュナイダー膜(上顎洞粘膜)を破かないように慎重に填入していきます。 |
サイナスリフト法
ソケットリフト法と比較して歯肉を広く切開しますので、手術後の腫れや痛みが大きくなります。
シュナイダー膜が破れると上顎洞炎を起こす場合があります。
術前の口腔内写真です。右上奥歯6番7番にインプラントを埋入すると同時にサイナスリフト法を行いました。 | |
ソケットリフト法とは異なり、歯肉の横から頬の内側の付け根にむかって大きく切開しますので、その分術後の腫れや痛みが大きくなります。 顎の骨を削除しシュナイダー膜(上顎洞粘膜)がみえています。(矢印の部分) |
以上のように両者とも様々な長所や短所があります。
そこで当クリニックは術後の患者様のインプラント手術後の侵襲を考慮し、極力サイナスリフト法は行わず、ソケットリフト法で対応しております。
ただ上記のようにサイナスリフト法より術後の患者様への負担は少ないものの、短所もありますので、下記のような手術方法を用いております。
症例
症例1 50代女性
上顎の骨の厚さは約1ミリです。
チタンインプラントでは上顎の骨の厚みは5ミリ以上なければ、上顎洞のなかに前もって人工骨を充填し、3~4ヶ月後にインプラントを埋入するという治療方針が定まっています。チタンインプラントはインプラント埋入時に「初期固定」が必要でしっかりと動かないよう止まることが大切で、骨の厚さが薄いと初期固定をとることが困難となります。
このような症例には骨伝導能があるスプラインHAインプラントが適しています。上顎洞内の上顎洞粘膜(シュナイダー膜)を慎重に剥離し、その隙間に人工骨を充填しそのままインプラントを埋入します。
骨伝導能がありますので、初期固定は必要ありません。
個人差はありますが、骨が十分あれば骨と結合するまでには3~4ヶ月ですが、この症例のように厚みがないケースでは4~6ヶ月かかります。
術前の口腔内写真 左上のブリッジが壊れてインプラントを希望されました。 左上奥歯に2本インプラントを埋入します。 |
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ピエゾを用いて長方形の形に骨を削除します。 | |
インプラントの埋入が終了したところです。 |
チタンインプラントでは前もって骨の厚みを増さないとインプラントは埋入できませんが、スプラインHAインプラントは初期固定がなくても同時に埋入が可能です。 | |
シュナイダー膜(上顎洞粘膜)を人工骨でドーム状に押し上げて上顎洞内にスペースを作り、インプラントを慎重に埋入します。 |
症例2 50代女性
この症例も上顎の骨の厚みは2ミリ弱です。スプラインHAインプラントを使用すれば、上顎洞のなかに人工骨を充填と同時にインプラントを埋入することが可能です。
左上6番が歯根破折のため、他の医院で抜歯しました。 長期間経過しているため骨の吸収が大きいです。 |
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直径3ミリのインプラント窩を2か所開けることにより人工骨の充填がスムーズに行えます。 |
このような顎の骨が薄い症例にはピエゾサージェリーまたはESL(Easy Sinus Lift)を用います。 | |
2か所のインプラント窩のためシュナイダー膜(上顎洞粘膜)に必要以上な圧力が加わることなく、人工骨を充填します。 | |
通常のソケットリフト法より手術時間は短く術後の腫れや痛みも軽減されます。 |
症例1と症例2は人工骨の充填の方法が異なります。
症例1では骨を長方形に削除し、人工骨を充填します。
利点としては通常は直径3ミリの円形の穴から行いますが、縦3ミリ、横6ミリのサイズの長方形に骨を開けるため、人工骨が充填しやすいので、手術時間が短縮でき術後の腫れや痛みを軽減することが可能です。
症例2では直径3ミリの穴を2カ所開けています。人工骨はどちらか一方から充填するのではなく、そのときの状況により、入れやすい方から行います。
2カ所穴がありますので、片方の穴はベントの役目をしています。ベントは人工骨充填時の圧力を逃がし上顎洞粘膜(シュナイダー膜)が破れにくくなります。
上顎洞の形状はいろいろで個人差があります。
当クリニックではなるべく術後の腫れや痛みがでないよう考慮しインプラント手術を行っています。
再生療法について
当クリニックではCGF(Concentrated Growth Factor)またはAFG(Autologous Fibrinogen Glue)という再生療法を行っています。
この方法の特徴は添加物(例えば抗凝固剤など)一切加えず、すべてご自身の血液成分を利用するということです。
止血に重要な役割を果たしている血小板とフィブリン、この両者を遠心分離器を使い、濃縮したゼリー状の状態で抽出します。
再生療法のメリット |
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腫れや痛みを軽減できる抜歯即時埋入インプラント手術にはメンブレン状にしたものを入れたり、抜歯時にはゲル状のものを抜歯窩に使用することで腫れや痛みを抑え、止血効果が期待できます。 組織の再生を促進硬組織だけでなく、軟組織である歯周組織の再生または回復を促進します。 安全性が高いすべてご自身の血液のみですから、安心して使うことができます。 |
具体的な使用方法
- 骨補てん剤(人工骨)の代わりに、上顎洞内に充填します。万が一シュナイダー膜が破れ上顎洞内に落ちても感染の心配がありません。
- 骨補てん剤(人工骨)と混ぜて、骨を増やしたいところに充填したり抜歯即時埋入時にインプラント窩に入れます。
- ゲル状のCGFを薄く伸ばしメンブレン状に整形し、インプラント埋入後の歯肉の治癒促進に役立てます。
再生療法の流れ
- 1
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患者さんから採血した血液を、14分間遠心分離器(メディフュージ)にかけます。
採血に際しては麻酔医が担当致しますので、痛みが少なく手際良く採血することができます。
- 2
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血小板濃縮フィブリンゲルを試験管から取り出します。
- 3
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再生治療に役立てます。
必要に応じてゲル状のフィブリンを小さく成形したり、滅菌ガーゼに包み血小板濃縮フィブリン液を絞り平たくつぶしてメンブレン状に成形します。