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インプラントの被せ物をセメントを使わず、スクリューで固定する理由
インプラントを埋入し被せ物が入り、その後長い間いい状態を
保つためには、いろいろな条件が備わっていることが大切です。
具体的には
1,使用するインプラントの選択
2,被せ物の形態
3,かみ合わせ
4,歯軋り、喫煙など日常生活での癖や習慣
5,清掃方法、清掃の習熟度
などあります。
その中の一つに「残留セメントの影響」というものがあります。
天然歯と同じように、インプラントの被せ物をセメントで固定した
場合、被せ物の周りにはみ出た余剰のセメントを、残すことなく
しっかりと除去できればいいのですが、実際には容易なことでは
ありません。歯茎の中に取り残してしまうと、清掃しやすく汚れが
付着しにくい形状だったものが、そこにセメントが残ることにより
歯垢や食物残差が付着しやすい状況に変わってしまいます。それは
清掃が不十分な天然歯に歯石が沈着し、抜歯になる状況と同じです。
そのために10年以上前からなるべくセメントの使用は避け、スクリュ
ーで固定する方法が採用されています。
今回の症例は少し前の時期のものです。抜歯即時でインプラントを
埋入しセラミックの被せ物をセメントで装着したものです。
最後の口腔内写真にオレンジ色の丸印があります。ここに直径3ミリ
の孔があるものはスクリューで固定されています。