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歯茎を切開しないフラップレスの利点と欠点とは?
フラップレスによるインプラント手術とは、歯茎を切開せず、
歯茎に埋入するインプラントサイズの孔を開けて、インプラントを
埋入する方法です。CTの普及によりインプラント手術前に、顎の
形状を把握できるようになってきたことにも大きな要因といえると
思います
利点としては
歯茎を切開、剥離しませんので出血は抑えられます。
インプラント手術後の痛みの原因の一つは、歯茎を切開、剥離する
ことですから、痛みは出にくいのですし、縫合は致しません。
手術時間が短縮できるということもありますが、これは担当医の
経験の差も少なからずあると思います。
欠点としては
インプラントの深さの調整が難しいことです。歯茎の厚みは
個人差があり、その歯茎の厚みによってインプラントの深さを
調整します。歯茎の厚みが3ミリならインプラントは通常の深さより
1ミリ深く、逆に歯茎の厚みが1ミリならインプラントは通常の
深さより3ミリ深くという具合に行います。これはインプラントの
周りの骨の吸収を抑えることにつながります。インプラントの周りの
骨の吸収が押さえることは、「インプラント周囲炎」の予防に
つながるからです。
さらに歯茎の下の骨は歯茎と同じ形をしているとは限りません。
また前歯なら鼻腔、舌動脈、奥歯なら上顎洞、下顎神経など
重要な器官があり、それらとの位置関係を考慮しながら埋入を
行わなければなりませんので、繊細な手技が求められます。
そのため必要最低限な切開剥離を行い、骨の形状などを視認しながら
手術を行うことは,安心、安全なインプラント手術につながると
当クリニックは考えています。
以下の症例は当クリニックで10年以上前行ったフラップレス
の埋入の流れです。
フラップレスでの埋入は埋入部位、骨の形状、歯茎の厚さ等
さまざまな条件が揃うことが必要です。