記事タイトル
左下歯周病の奥歯にインプラント1本
1、術前診断、治療計画
当クリニックで
メンテナンスを続けている患者様です。
左下奥歯が数年前に、噛むとまれに
違和感があるということで
歯根が割れている可能性があることはお伝えしましたが
それほど頻繁にならないので
経過をみていくことになりました。
今回メンテナンスに来られる
少し前から歯肉がだいぶ腫れていたため
パノラマ撮影したところ
歯根の回りに大きな透過像があり
残すことは不可能であることを
患者さんに伝えインプラント治療を希望されました。
さらに詳しく骨の吸収の程度や下顎管神経までの距離を
精査するためCT撮影したところ抜歯即時埋入の適応と判断し
サイズは直径5ミリ、長さ10ミリのスプラインHAインプラントを
使用することにしました。
画像1
術前のパノラマ写真です。
左下奥歯の先端が黒くなっている部分が炎症を起こしています。
(黄色い丸)
画像2
歯ぐきの外側が腫れています。(赤い矢印)
2、インプラント1次手術、2次手術
インプラントをはじめる前には患者様に抜歯を行う部位を
再度確認して頂いたあと
歯科衛生士による口腔清掃と除菌水で20秒間洗口し
表面麻酔、局所麻酔を施し
抜歯と同時に感染している組織を掻爬し
スプラインHAインプラントを埋入します。
チタンインプラントでは抜歯して
同時にインプラントを埋入することは基本的に禁忌ですので、
いったん骨ができるまで4~6ヶ月待つことになります。
インプラント埋入後
当クリックではデンタルレントゲンを
1ヶ月毎に撮影してインプラント周囲の人工骨が徐々に
馴染んでいるか
その他に炎症所見がないか確認していきます。
画像4
抜歯直後にインプラントを埋入します。
インプラントの周りの粒子は人工骨です。
3、被せものの装着、メインテナンス
被せものの材質はジルコニアでネジで固定します。
セメントで接着しないことに心配される患者もおられますが
噛む力が非常に強いとまれにネジが緩むことがあります。
しかしほとんどの場合は緩むことはありません。
ネジで固定することは
セメントを使用することによる
インプラント周囲炎のリスクの
軽減にもつながります。
万が一揺るんだら絞め直し
噛み合わせの調整を行えば大丈夫です。
画像7
材質はジルコニアで、ネジ止めです。
検査代
CT撮影 12000円+税
その他保険負担金がかかります。
相談料
無料
治療費
インプラント1本 35万円+税
期間
4~5か月程度