右上前歯にインプラント1本を埋入し、審美が改善した症例

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右上前歯にインプラント1本を埋入し、審美が改善した症例

1,術前診断、治療計画

右上の前歯が噛むとぐらぐらして、残すことができないなら

インプラントをしてほしいと来院された患者様です。

触診すると、歯は他の歯とくらべ動きが大きく

早速CTを撮影してみると

歯の根に破折の像がみられ

その根の周りには、骨の吸収が広がています。

ここで治療法は2つあります。

①歯を抜いてGBRを行ってから、インプラントを入れられるだけの

 骨を作ってから、インプラントを入れる方法

②歯を抜いてそのままインプラントを入れる方法

②と比較して①は治療期間は長くかかり、治療費も高くなります。

逆に

インプラントの埋入では②のほうがは①より難易度は高くなります。

どちらを選択するかは

術者の経験値もありますが、

見た目重視の上の前歯では、なるべく歯肉に処置を加えずに

インプラントを入れたほうが綺麗に仕上がります。

加えて、患者様に余計な痛みを加えることもなく、

より短い期間で治療を終えることができるのです。

ですから

患者様の年齢、両隣の歯の状況、インプラントの部位

さらには顎の骨の量、さらには歯肉の形など

様々な要素を鑑みて

HAインプラントを使い

抜歯を行い、そのままインプラントをいれる

抜歯即時埋入を選択しました。

 

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2、インプラント1次手術、2次手術

今回は静脈内鎮静法は併用せず、

局部麻酔でインプラント手術を行いました。

なるべく痛みを抑えるために

表面麻酔を行います。

そのあと極細の針を使い、局部麻酔をし

抜歯をします。

上顎前歯という審美領域での

抜歯即時埋入インプラントは

細心の注意を払い抜歯をする必要があります。

具体的には

インプラント埋入部位の歯は、歯根が割れていますので

感染している組織を、取り残すことなく

掻爬することだけでなく、周りの歯茎を傷つけることなく

抜歯していきます。

選択したインプラントは

スプラインHAインプラントで

サイズは太さ3、25ミリ 長さ11、5ミリです。

上顎の前歯は、顎の骨が薄く、凹凸にかなりの個人差があり

インプラントの埋入には時間がかかる場合もあります。

 

また

「インプラントは痛いですか?」と

よく聞かれますが

抜歯即時はほとんど痛くありません。

ひとつの理由は

歯茎を切らない(フラップレス)だからです。

抜歯即時はインプラントをいれたあと、

インプラントの周りに人工骨を詰めます。

インプラント埋入終了後

あらかじめ製作しておいた仮歯(プロビ)を

両脇の歯に接着剤で固定して

この日の処置は全て終了です。

 

 

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3、被せものの装着、メンテナンス

よく患者さんから「いつになったら骨とつきますか」という

ご質問を頂きます。

基本的には、インプラントを入れてから

上顎は3~4か月

下顎は2~3か月

経過すると骨と結合していますが、

骨の硬さや出血の度合い、炎症の強弱、さらには年齢など

さまざまな条件が重なりあいますので、

必ずしも上記の期間で骨と結合するとは限りません。

もしその期間で骨と結合しなくても

感染など炎症がインプラントに生じていなければ

心配ありません。もう少しお待ちください。

さて

この患者さんは無事3か月で

骨とインプラントがしっかりと結合したのが

確認できましたので、

被せものの型取りをおこない約2週間後に

被せものを装着しました。

上の前歯の部分は審美領域です。

インプラントの入れる方向が約3~5°誤ると

満足いかない被せものになる場合があります。

大変微妙なものがありますので

医院選びは慎重におこなってくださいね。

検査代

CT撮影 12000円+税

その他保険負担金がかかります。

相談料

無料

治療費

インプラント1本  35万円+税

期間

4~5か月程度

 

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