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すれ違い咬合のため入れ歯が合わず2010年に来院されインプラント治療を行い2024年までメンテンナスを継続されている患者様の口腔内の状態
1.インプラント埋入前
2010年10月に来院された患者です。すれ違い咬合とは上の歯と下の
歯はそれぞれ残っているもののその上下の歯が全くかみ合わない状態
になったことを指します。そのために患者様はインプラントを扱って
いないクリニックで治療をされていたため、上下入れ歯を装着されて
いましたが、このようなかみ合わせになってしまうと入れ歯では十分
満足な嚙み合わせを得ることはほぼ不可能です。噛む力を入れ歯で
支えることは難しいため、インプラントでかみ合わせを作るように治
療計画を立てました。
2、第一段階として下顎の両側奥歯に3本のインプラントを埋入します
この処置を行うことで奥歯で噛むことができるようにします。(赤い丸
印)
3,第2段階は上の前歯に3本のインプラントを埋入します。
この処置で前歯で噛めるようにします。(黄色い矢印)
4、セラミックで製作した被せ物の完成
すれ違い咬合という状態になりますと、上下の歯があっても噛み合う
部位がないので咬み合わせは低くなります。そのために「バイトアッ
プ」といいますが、かみ合わせをあげることが必要となります。噛み
合わせをあげることで、口元が若くなる、歯の形が正しく製作するこ
とができる、口腔清掃が楽になるなど様々な利点があります。
5,2024年8月のメンテナンス時の口腔内写真
上下のインプラント治療を終えて10年以上は経過をしています。その
間歯を失っていません。入れ歯でここまで歯を維持することはできま
せん。インプラントは欠損した歯の代わりとして骨に埋入するだけで
なく、このように咬み合わせを再構成することで、患者様のQOLを大
幅に向上、維持することができます。