骨が薄い右上奥歯に人工骨を補填しながらインプラントを埋入(レントゲン画像)

記事タイトル

骨が薄い右上奥歯に人工骨を補填しながらインプラントを埋入(レントゲン画像)

上顎奥歯のインプラント埋入においては困難なケースがあります。そ

れは骨の硬さではなく、骨の厚みがない場合です。下後にインプラン

トを埋入する場合には下顎神経に接触すると麻痺が生じる場合があり

ますが、上顎奥歯の場合には眼球の下には上顎洞という空洞があり、

インプラント埋入の際骨の厚みが薄いとその上顎洞にインプラントを

落としてしまうリスクがあります。(落とした場合にはそのインプラ

ントを撤去すればいいのですが、治療期間が大幅に長くなります。)

もう一つあります。骨が薄いためにインプラントを埋入する前に

人工骨を補填する必要があります。その人工骨が誤って上顎洞内

に拡散してしまうとこれも上顎洞炎を併発するリスクがあります。

今回は骨の厚みが2ミリ以下(黄色い矢印)の場合ダブルソケットリ

フトという方法で人工骨の補填とインプラントの同時埋入をレントゲ

ン画像で説明します。

  • 骨が薄い右上奥歯に人工骨を補填しながらインプラントを埋入(レントゲン画像)

人工骨の填入

インプラントの埋入部位に1か所幅4ミリの孔を開けます。さらにもう

ひとつ頬側に孔を開けます。(ダブルケソット)その開けた孔から、

骨の内側に付着しているシュナイダー膜を剥離します(卵の殻の内側

にある膜をはがすと想像していただくと理解しやすいと思います)

そして骨とシュナイダー膜の間に人工骨を少しづつ填入していきます。

 

  • 骨が薄い右上奥歯に人工骨を補填しながらインプラントを埋入(レントゲン画像)

シュナイダー膜はとても薄いために一度に人工骨を填入してしまう

と、シュナイダー膜が破損して人工骨が上顎洞内に拡散してしまう

と、上顎洞炎を併発するリスクが高まり、インプラント治療が大幅に

遅れることもありますので、慎重な手技が必要となります。数回にか

けてCT撮影し人工骨がどの程度上顎洞内に入っているか、シュナイ

ダー膜は破損していないかを確認していきます。

  • 骨が薄い右上奥歯に人工骨を補填しながらインプラントを埋入(レントゲン画像)

十分に人工骨が上顎洞内に填入できたことが確認後、インプラントを

ゆっくりと埋入していきます。

 

  • 骨が薄い右上奥歯に人工骨を補填しながらインプラントを埋入(レントゲン画像)

インプラントの周りに白くドーム状に見えるのが人工骨です。(黄色い

丸印)

  • 骨が薄い右上奥歯に人工骨を補填しながらインプラントを埋入(レントゲン画像)