記事タイトル
下顎の奥歯はワイドタイプのショートインプラントが安全にインプラントの埋入ができる理由とは
1、インプラント埋入前
下顎左下の一番奥歯(最後臼歯と呼びます)の歯の根が真ん中から二
つに割れている患者様がインプラントを治療に来院されました。部位
は下顎奥歯です。この部分は下顎神経までの距離がとても重要です。
この神経は上下の口唇や頬の感覚を司っています。そのためインプラ
ント埋入時に誤ってその神経を骨を削合するドリルで傷つけてしまう
と唇や頬に麻痺が生じる可能性があります。当クリニックではそのよ
うな患者様は今までいませんが、高齢になるほど症状の改善には期待
を持つことは出来ません。そのために神経までの骨の厚みがない程
より慎重な手技が要求されることになります。従来のインプラントで
は最短でも8ミリですので、神経までの距離からその8ミリのインプラ
ントがマニュアル通りに埋入できないことがあります。専門的なこと
は省略しますが、そのため従来の縦長の形状をしたインプラントでは
周囲の骨の吸収が生じるリスクが高くなります。まして噛む力が強い
患者様ほどそのリスクは高まります。その点ワイドタイプのショート
インプラントは従来のインプラントと比べて幅が広く、長さも短くな
りその形状は従来の細長からサイコロ状に変わりました。そのために
このような骨の厚みが少ない部分でもインプラントを安全に埋入する
ことができ、形状がサイコロ状に進化したためインプラント周囲の骨
の吸収を抑えることができるようになりました。
黄色い矢印が歯根が二つに割れている下顎最後臼歯(7番)です。
2、抜歯と同時にインプラントを埋入
直径7.5mmのワイドタイプのショートインプラントを抜歯直後に埋入
3、被せ物の装着
インプラントの幅が広いために従来のインプランㇳより早期に骨と結合
します。